スピニングリールの基礎知識

バス釣りタックル

初心者の方にとってスピニングリールは海釣りでも頻繁に使われており馴染みやすく比較的投げやすい構造をしています。

今回はベイトリールとの違い・特徴・メリットデメリット・価格差による性能の違い・サイズ・保管方法の説明をします。

ベイトリールとスピニングリールの違い

種類スピニングリールベイトリール
得意な重さ7g以下7g以上
糸の太さ3~5lb12lb~
バックラッシュ(糸絡み)起こりにくい起こりやすい

スピニングリールはベイトリールよりもバックラッシュ(糸絡み)がしずらい構造になっています。

バックラッシュはルアーの飛ぶ速度よりもリールのスプールが回転する速度が速い場合に起こります。具体的にはロッドを振る速度が一定ではなくルアーが不安定な飛び方をした場合や着水の瞬間にルアーの速度が落ちた時にスプールが空回りして起こりやすくなります。

ベイトリールバックラッシュ
ベイトリールバックラッシュ

そしてスピニングリールはスプールが回転して糸が放出されるのではなくベイルアームを起こす事でスプールから自由に糸が出る構造になっているのでルアーが飛んだ分だけ糸が放出される構造になっています。

スピニングリールベイルアーム
スピニングリールベイルアーム

しかし全くバックラッシュをしない訳ではなく、PEラインを使用した場合(糸自体が風の影響を受けやすく放出速度が不安定になる)や極端に軽いルアーを投げた場合(ルアーの初速から着水までの速度差が激しい)にバックラッシュが起こる場合があります。その様なタックルを使用する場合はサミングをしたり投げ方に注意をする必要があります。

スピニングリールの名称と特徴

スピニングリールには以下の名称と特徴があります。

スピニングリール各部名称
スピニングリール各部名称
  • ラインローラーのローラーが回転していくことでラインがスプールに巻き取られていく
  • スプールは糸を収納しておく部分。上部にドラグがありドラグを締めたり緩めたりすることで糸のテンションが掛かった場合の出やすさを調整する。
  • ハンドルはスピニングの場合左右を取り換えれる場合が多い。

スピニングリールのメリットとデメリット

メリット

  • 小さくて軽いルアーを使える。
  • バックラッシュ等が起こりにくく扱いやすい。
  • 少し練習をすれば平均的な飛距離が出せる。

糸がフリーに放出される為小さいルアーも適切な飛距離が出ます。

スピニングリールはベイトリールに比べ調整が必要な箇所もドラグの調整のみ(ベイトリールはドラグ以外にブレーキ調整が必要)となっていますので難しくなく扱いやすくなっています。

デメリット

  • 重いルアーに向いていない
  • 太い糸が使いにくい
  • 糸の量が少なすぎたり多すぎるとトラブルが起きやすくなる

軽量のルアーを投げれる反面重いルアーは投げにくく不向きになっています。

スピニングリールはベイルアームを通してスプールに糸が巻かれるので、糸が太いとスプールにキチンと巻けない為に投げる際にベイルアームを起こすと必要以上の糸が放出され糸絡みが起こる可能性が高くなります。

スプールに巻く糸の量は表記より多く巻いてしまうと、糸が太い場合と同様に必要以上の糸が出てしまい糸絡みの原因になり、逆に少なすぎるとスプールの上部に糸が擦れ摩擦が大きくなり飛距離が極端に落ちます。スプールに巻く糸巻き量はリールやHPに記載されている量を確認し巻くようにしましょう。

目安としてはスプールエッジ(スプールの縁)より出ないぐらいが適量になります。

価格差による違い

スピニングリールは安いものでは数千円のものから10万円以上のものまで様々です。価格による違いは大きく以下の理由があります。

  • 材質・重量
非金属アルミマグネシウム
軽量重たい軽量
錆びない錆びにくい錆びやすい為防錆処理が必要
強度が低いものが多い強度が高い強度が高い
低価格
(材質により高価格帯にも使用される)
ミドル~ハイグレードまで
幅広い価格帯に使用される
ハイグレード帯
  • ドラグの性能

ドラグの性能はグレードが上がると非常に細かく調整出来たり、急な魚の動きにも追随する機能が搭載されている物もあります。最近は安価なリールでもドラグ性能に問題の無いものがほとんどですが、ネットで非常に安価なものやロッドとセットになってるものは大きい魚が掛かった場合にドラグが機能しない場合があるので注意が必要です。

サイズ

スピニングリールのサイズには1000番~30000番代までありますが、バス釣りに使用するのは2000番~3000番代が主流となっています。

一般的にサイズが大きくなるほど、糸巻き量やドラグ力が大きくなります。ドラグ力(最大ドラグ力)とはドラグを一番締めこんだ状態で何㎏の力が加わればラインが引き出されるかを表記しています。

ドラグを一番締めこむ事は実釣ではありませんしタックルバランスでリールに掛かる負荷も変わりますので目安程度に考えて大丈夫だと思います。

保管方法

淡水の場合は錆びる事や塩がリール内部に入る事はほとんどありませんが砂や汚れがスプール周辺に入る事はあります。釣行から帰ってきたら水で洗い流すようにしましょう。その場合は、ドラグを締めドラグ内部に水が浸入しないようにしましょう。そして長期使用しない場合はドラグを緩めて(締めている状態だとグリスが効かなくなったりワッシャーが傷む可能性がある為)保管しましょう

まとめ

スピニングリールはサイズさえ適当であれば、初めての場合価格(非常に安い物はオススメしません)やデザインで選んでよいと思います。高性能のリールは巻き心地やドラグ性能の良いものが多いですが、最初はリールを巻く事に慣れる事や狙ったポイントに投げて魚を掛けれるようになる事の方が大切です。1つのリールを使いこなせるようになってから自分の欲しい性能のリールを購入するのが良いでしょう。

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